古くから澄泥硯は河の泥を固めて焼成したものや、はたまた石の粉を固めて焼成した石末(せきまつ)澄泥、石を削って作った澄泥石硯など多彩な種類が伝承されてきました。墨を磨る道具として各時代各場所で様々な硯が作られたことは確かで、記録に残らない澄泥硯が多数存在したのも事実です。
店主が知っている限りでは、現在でも作られている澄泥硯は二種類。一つは山西省太原近郊の旧名絳州の汾河から採取された粘土質の泥を何層もの沈殿槽を経て細かい上澄みの泥のみを絹袋で濾して固めたものを焼成するまさに泥を澄まして作る絳州澄泥硯、約1300年前の唐代柳公権の論硯の中に登場します。もう一つは蘇州近郊の雘村石とか蔵書石、霊岩石ともいわれる澄泥石硯、こちらは焼成ではなく石そのものです。いずれの澄泥硯も色によって田ウナギの腹のような鱔魚黄(ぜんぎょこう)、エビの頭内のような蝦頭紅(かとうこう)、河蟹の甲羅のような蟹殻青(かいこくせい)、珍しいものだと緑豆と呼ばれる豆のような緑豆沙(りょくとうさ)、深い紅色のバラのような玫瑰紫(ばいかいし)などと形容されます。店主の感覚では河泥を焼成した澄泥硯は鋒鋩の肌理が細かく、澄泥石硯は石質が非常に粗いものが多く意図的に粗く磨墨するのに適していると思われます。店主が見たことがある古硯で石末澄泥硯であろうと思われるものも肌理が粗かったような記憶があります。雄勝で昔大量に作られていた学童用の人造硯も、石の粉をプレスして固めたもので焼成はしないものの一種の石末澄泥硯といえるのかもしれません。
澄泥石硯 加厚長方型 鱔魚黄
鋒鋩の肌理が細かく、澄泥石硯は石質が非常に粗いものが多く意図的に粗く磨墨するのに適しています。
サイズ | 6インチ(長辺約15㎝), 7インチ(長辺約17.5㎝), 8インチ(長辺約20㎝), 9インチ(長辺約23㎝), 10インチ(長辺約25㎝) |
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