1970~1980年代、中国政府は日本や東南アジアへ向けて工芸品を輸出することに資源を集中し経済を発展させる政策をとっていました。文房四宝もその一つでした。国営の上海市工芸品進出口公司が羊毛筆の基準を統一し、その製造に湖州、蘇州、揚州、南京の数件の制筆廠が手分けしてあたり、最後に輸出商標の火炬ブランドを貼って輸出していたということです。現在は元国営善璉含山湖筆廠から私営に変わった双喜湖筆有限公司が火炬ブランドを継承して生産しています。上海工芸の筆はてっきり上海で作られていると思われがちですが、実は今も昔も上海では作っていないようです。昔から各地で製造されているので、筆の仕様を熟知している80歳くらいの古い職人さんが各地にまだご健在で、あちこちで勝手に当ブランドの筆が作られ、勝手に印刷された火炬商標を貼られた筆が今でも日本に舶来しています。偽物といえば偽物で、本物といえば本物ですが、一応今は商標権者の双喜湖筆から出荷される筆が法律上の本物ということになっています。
上海工芸 火炬牌 極品写巻小楷
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