書道用品・篆刻用品の製造・輸出入、雄勝玄昌石硯・工芸品・建材の製造元

落款印、収蔵印、遊印、雅号印等、書画をたしなむ方は頻繁に印を使用します。不慣れな方は篆刻家に印の制作をお願いできますし、基礎を学んで自分で篆刻することも可能です。方寸の世界に芸術を表現するための様々な道具を紹介します。これまで中国各地の職人さんに高い授業料を払いながら何年もかけて試行錯誤しながら篆刻道具を製作してきました。マニアックな道具を製造するのが結構楽しくて、製作に没頭するあまりついつい商売を忘れさせられ損をしてしまう製造業者泣かせの商品です。

印床

印床は篆刻をする際に印材を挟み込んで加工物を安定させるとともに、刀を滑らせてしまって指をケガしないようにする道具です。ネジ式やクサビ式があり、かなりの力で締めるので、構造物が継ぎ合わせのものよりも、くり貫きの一本作りのものの方が丈夫で長持ちします。

篆刻用二面硯

篆刻は印稿と布字に朱墨と墨の二種類を使います。二種類の墨を一つの硯で同時に使えます。別用途に二種類の墨を同時に使う場合は便利です。

印矩

鈴印する際に二度捺しする場合にガイドとして使用したり、バランスを確認して捺す際に使用します。ちゃんとした印矩は底面の内角側が必ず面取りしてあります。印泥に印材を押し付ける際に付いた側面の印泥が印矩に付いて、それが紙面を汚さないためです。

印褥

鈴印するときに使う下敷きです。印褥の材質や硬さによって印影の線質が変わります。マグネット付き印矩を使用する場合は鉄板入りの印褥を選びます。

篆刻刀

鉄筆とも呼ばれる石を刻す刀です。材質や鍛え方、砥ぎ方などで様々なものがあります。中国の硬質合金製の刀は、刃先が鋭く砥ぎ不要のものが多く便利ですが、いったん欠けたりするとなかなか自分で砥ぐのが困難で使い捨てになってしまいます。逆に日本製の印刀は鉄と鋼を組み合わせた軟鋼が多く、砥ぎなどのお手入れが必要にはなりますが自分で比較的容易に砥げます。

印箱

中国では印章錦合とも呼ばれる木材や厚紙の箱の外側に緞子絹を張り付けたものです。石印材は欠けやすいので、持運びや保管に必須のアイテムです。

棕櫚刷毛

ヤシ科の植物のシュロのモサモサをまとめたり編んだりしてつくる刷毛です。中国では木版や表装、拓本をとる際に使用します。以前は印材の側款の拓はシュロ刷毛を使用するのが主流でしたが、最近は柔らかく細かい馬毛や猪毛の刷毛がよくつかわれているようです。

シルクタンポ

側款の拓本をとるさいに使用するタンポです。きめ細かなシルクを使用しています。

印泥メンテナンス用品

印泥は消耗品です。使用すれば使用するほど消耗し、成分の顔料や油が減り本来の性能を発揮できなくなります。また、原料の一つが植物性の油なので気温の影響を受け、暑ければ緩くなり寒ければ硬くなります。このような場合に使用するメンテナンス用品を紹介します。

印合

印泥用の容器で、主に釉薬がかかった陶器製をおすすめします。素焼きの陶器や表面に漆やニスを塗っていない木製のものは印泥油を吸う性質があるため、印泥がすぐに乾燥してしまうのでおすすめできません。

篆刻用紙

篆刻では数種類の紙を使用します。
①印稿紙:印稿を設計するために使う紙で、使う方の好みで様々な紙が使用されます。ご自分のお気に入りの紙をご使用ください。にじまない紙をおすすめします。
②拷貝紙:非常に薄くて半透明な紙で、印稿をなぞったり転写する際に使ったり、側款の拓をとる際に印箋の上に敷いて刷毛で圧迫しても印箋が破れないように使用する紙です。印譜帳を作る際には、連史紙を折り曲げ、間に拷貝紙を挟んで製本することで裏面まで印泥の油が染みないようにします。ちゃんとした印譜帳には必ず入っています。
③印箋紙:古来から印箋、側款拓用の紙として連史紙が使用されています。薄くて丈夫で肌理が細かいからです。人によっては浄皮または特浄皮の札花紙という同じく薄くて丈夫で肌理が細かい紙を使用します。
連史紙は連四紙とも書かれ、その中で肉厚のものは海月紙と呼ばれます。福建省連城や江西省鉛山が主な産地で600年ほどの歴史があります。製作工程中三度の蒸煮、二度の天然漂白が必要で完成まで1年以上の歳月がかかります。“潔白如玉、永不変色、防虫耐熱、着墨鮮明、吸水易乾”と形容される優良な性質を持っていて、篆刻の際の鈴印紙、側款の拓本、古籍の修復等の金石印学の領域で最も多く使用されています。